くじら

 

くじらには縁がない
一度も見たことがない
話したこともない
だけど好き、というわけでもない

 

朝日には縁がない
朝早いほうじゃない
寝起きも良くはない
だから嫌い、というわけでもない

 

ただ、君には あぁ 縁がある
不思議なほど何かがある
根拠はない 裏づけもない
それ以上でもない
「それ以上」はない

 

生きている意味はない

(すべてのことに意味がある)
特別なことじゃない

(昨日と今日と明日と明後日は違う)
焦ることなどない
だけど生きる、というわけでもない

(だからどうした)

 

階段とかゴールとか
無理に何かに当てはめられなくてもいい
明日のための今日じゃなくたっていい

 

ただ、君には あぁ 縁がある
不思議なほど何かがある
根拠はない 裏づけもない
それ以上でもない
「それ以上」はない

 

(ドキドキの偶然を 時として運命という

お見通しでありますでしょうか?

神さま、あ、あ、あ)

 

words,music&all intruments

by oil
mix&mastering

by Hideyuki Ashizawa(def house studio)

持論ですが、歌って特に言いたいことがなくたって良いと思ってます。

「メッセージのない歌なんて歌じゃない」なんてよく言うけど、そんなふうには思わない。

僕は、「何もないところから出来上がる面白さ」っていうのがあると思ってます。

 

むかしむかしの人たちの「俳句の集い」みたいなものだって、
お題が与えられて、その中で、それぞれの感性や表現力で風流を競いあっていたはずだし。

 

それって一見、無理やり作り出されたもののように思われるかもしれないけど、でもね、不思議なことに、何もないところからかたちにしていったとしても、その人のフィルターを通して生み出されるものだから、絶対にその人の味や人間性や考え方が出る。
そこが面白いところだって思うんです。

 

それと、作り手側も「あ、おれってこんなこと考えてたんだ」みたいに自分を再発見する場にもなっていて、そういう意味でも面白さがあると思っています。


で、この曲は自分で自分にお題を出して作ってみた曲。

曲のイメージも歌詞も一切ないところから『くじら』というタイトルだけを決めて作ってみました。

 

ある種、実験みたいなものです、
「2012年某日のoilに”くじら”というタイトルを与えると、どのような歌を作るか」という実験。

で、実験結果がこの曲。


冒頭の4行でくじらについての話は終わってしまっているので
実験失敗といえば失敗なんだけど。。

でもこれが、本当のところだから、これはこれで結果なんだと思うのね。


自分の周りにはたくさんの人や物、事柄があるんだけど、
そのなかで自分とシンクロするのってごくごくわずかなんだろうなって。

自分とシンクロしていないものの多さを知ったときに、
いま自分がつながっている人や物、事柄がどれだけ「縁」があるかってのを思い知らされたりして。

そんな歌になっている思います。

 


余談ですが・・・

なんか最近「縁」っていう言葉がなんか好きだなって思ったりしてます。
思考停止とまではいかないまでも、つながりのルーツみたいなのをちょっとうやむやにしつつ、(そこがいい!)それでいて、なんか温かみがある言葉。
不思議な力を持ってる言葉だと思います。

 

僕の中で好きな日本語ランキング暫定1位です。